舞台について

「藤原ロマネスク」の舞台は、仮想都市、帝都。
今でいうところの、明治、大正時代をモデルとしています。
しかし、今回の作品はあくまでイメージとしての旧首都を舞台に選んでいますので、あまり正確な時代考察はしておりません。
風景の多くは、旧町並みが残る観光都市、函館を参考にさせていただきました。

テーマについて

我々の作品は、恋愛よりも家族愛を著すことが多いのですが、今回はその典型と言えます。
後、傾向として、普段重く暗いテーマを取り扱うことが多い為、今回は随所に置いたギャグを頑張ってみました。
玉砕感は、本人たちが一番わかっていることです。

藤原ロマネスクとは

題にして、作中アパートメントの名前です。
実は本作品は、ここからスタートしました。
私たちの作品は、内容が先に出来て、題名で悩むというのが通説なのですが、これだけはタイトルから来ましたね。
珍しくタイトルありきです。

登場人物について

私の職場の熊本県出身者が、「(肥後)もっこす会」なる会を定期的に開いているのですが、その名称が可愛くて(笑)
で、主人公の島並くんは、熊本出身の狼男設定になりました。
一番悩んだのは、神風氏。
役どころ的にも見せ場が多いし、比較的カッコイイ役回りなのでビジュアルには最後までなやませられました。
……いえ、訂正します。
未だに悩み中です(笑)
人物の名前は、その殆どを、旧海軍の艦艇からお借りしています。

日本神話について

今回のテーマの一つでもあるのが、日本神話です。
好きでよく読むのですが、今回は古きよきを懐古する意味を込め、比較的ポピュラーな一本を下敷きにさせていただきました。
脇差しのくだりは勿論捏造ですが、この一作品、かわいらしいので原文で読んでみてください。

死というものについて

あの時代の特徴として、まだ死が身近にあったことがあるでしょう。
時代が変わったこと、貧富は激しくなり、禄をはんでいた者も困窮し、貧困は民のすぐ隣にありました。
今まで威張っていた者も、卑屈になっていた者も、等しく貧しく振り落とされたのです。
その中で、生きる為、立身の為各分野で死に物狂いで身を立てた人たち。
彼らの努力が、今の日本をつくり、また現在にも多大な魅力を残しているのでしょう。
私たちの作品では、頻繁に人が死にます。
言ってしまうと、作品に重みを出す為に、一番手っ取り早いからです。
今回、その時代を描くにあたって、私たちはひとつ大きな約束事をしました。
「誰も殺さないこと」
誰も目の前で死なず、綺麗な終わりを迎えるお話にすること。
例外として、ヒロインの兄である初風が既に他界している設定となりましたが、あくまでヒロインのバックグラウンドとしての設定に終始させています。
気負わず、鬱せず、それでも颯爽と生きる。
彼女の姿には影を着せないよう努力したのですが、うまくいったでしょうか?

次回作について

実は、この作品は続きものです。
長い作品を一欠けら、読み切りとして小さく区切ったバラ売りの作品です。
これはこれでまとまった作品になりましたが、語ろうと思えばまだまだいろいろなお話があります。
初風と神風のことや、兄妹の逃避行の話、島並の家族……。
ただ、電子書籍という媒体自体、私にとっては初の試みであり、手探りしつつ試験的に出した面もありますので、次は、といわれると「未定」です。
作品自体も、普段と違う作り、ストーリィを試しており、まだまだ自信を持てる段階にありません。
それでも、いくばくか好意的感想をいただければ続くかもしれませんね。